■ただの男友達だったはずなのに 



 男友達とセックスしてしまった。
 本当に、ただの「とても気が合うお友達」だったのに。
 高校1年生の不安いっぱいの春、知っている顔よりも知らない顔の方が多い新しいクラスで、彼はめいっぱい人なつっこい笑顔でわたしを迎えてくれた。



 どっちも新入生だから「彼が迎えてくれた」というのはおかしいけれど、わたしにはそう思えたのだ。
 そしてわたしはなついたのだった。もしかしたら、彼でなくも良かったのかも知れない。けれど、1年が過ぎた春、わたしにとって彼は「彼でなくてはダメ」な存在になっていた。
 というのも、ある日わたしは気が付いたのだ。

 彼の笑顔は、誰に対してでも向けらているものではない。わたしだけのものだった。
 でもわたしは彼に対していわゆる「恋愛感情」というのが持てなかったので、もし告白されたらどうしようかとずっと思っていた。
 告白されて好きになる、というのは良くあることだけど、わたしと彼とが二人で作り上げてきた親密な友達関係の方が重くて、わたしはきっと受け入れられない。

「わたしのこと好きなの?」って何度か訊こうとしてやめた。

 それがわたしからの告白だと思われても困るし、訊いたことが原因で微妙なバランスが崩れるのも怖かった。
 そのくせ二人のことがうわさになると、わたしはホンの少し彼のことが好きになりかけていた。

「迷惑なうわさだよね」と、彼は言った。
 わたしは少しだけがっかりしながら、でもめいっぱい安心して「そうだよね」と言った。

 うわさなんていい加減なもので、私達が取り合わないとわかると、いつの間にか消えてしまった。
 2年生になってすぐ、「エッちゃんはキスしたことある?」と、彼が言った。

「ないよ」と、わたしは答えた。「なんでそんなこと訊くの?」
「キスしたことがあるかないとか、エッチしたことがあるとかないとか、女の子の間では話題にならない?」
「そりゃあなるけど」
「ねえ、キスしようか」
「ええ?」
「だって、俺、したことないから、どんな感じか知りたいとか思って。ごめん、変なこと言って」

 わたしは驚いたけれど、どんな感じか知りたいのはわたしも同じ。
 「しようか。してもいいよ」と、わたしは答えていた。
 私達は唇を重ねた。場所は放課後の教室である。
 「誰かに見られたら困るよね」と、彼が言った。
 「別にいいんじゃないの? 私達はとっくに恋愛の対象になってないから誰も傷つかないし、みんな『やっぱり』って思うだけだから」
 「そうだね」

 もういちどキスをする。今度は長い長いキス。
 いつやめたらいいの?
 わからない。
 わからないけれど、やめたいとも思わなかった。暖かくて柔らかいものが触れあっているって、気持いい。
 彼と口づけを交わしていることに違和感を感じない。だって、こんなに仲がいいんだもの。
 彼が唇を割って舌を入れてくる。
 そうだ。ディープキスって言うんだ。舌を絡め合う濃厚なキスの存在に思い当たり、わたしも彼に応えてあげた。
 体が熱くなってきて変な感じ。
 うーん、なんかいいなあ。って陶酔しかけたところ、彼がいきなりオッパイをぎゅって揉むもんだから、わたしは身を引いてしまった。
 熱かったものが冷めていく。
 「ちょっと、それ、やりすぎよ」と、わたし。
 言ってから後悔した。冷めていくような気がしたのは驚いたから。
 ホンの一瞬つかまれただけの胸が、ジンとしてくる。
 感じているの、わたし?
 彼は引きつったような顔でわたしを見ている。
 「ごめん」と、一言発しただけで黙り込んでしまった。
 二人の間に冷たい空気が流れる。
 いや、そんなの嫌。
 ジンとなった胸が痛む。

「ごめん。ちょっとびっくりしただけ」
 わたしは改めて言い、制服のブレザーを脱ぎ、シャツのボタンを上から順に外した。
 真っ白なブラがあらわになる。
 「え?」
 声を少しだけあふれさせた彼は、また固まってしまった。
 「触って」
 「でも。。。」
 「さっきはごめん。本当にちょっとびっくりしただけだから。触っていいの。触られたいの」
 「うん」
 彼はわたしに身を寄せて再び胸に触れた。
 はじめ掌をそっと添えるようにして、ゆっくり揉みはじめた。
 わたしは身体がカーッと熱くなった。彼の手の動きはちっとも激しくないのに、わたしは激しく反応した。

 思わず声を出したらしい。彼が「ねえ、感じるの?」と言った。

「よくわからない。なんか、熱いの」
「キスしていい?」
「。。。。うん」

 ブラの上から手で触られているだけでこんなに熱いのに、キスなんてされたら。
 考えただけで乳首が反応しているのがわかる。
 わたし、スケベなのかも。
 彼の顔がわたしの胸に近づいて、止まった。ブラを外そうかどうしようかとまどってる?
 でも、服の上からのキスなんておかしいよね。

 わたしは自分からブラを外した。自慢できるほど大きくはないけれど、キリッとした綺麗な形の乳房にピンクの乳首がのっかっている。
 こころなし膨らんでいる?
 彼の唇が左の乳首に触れ、唇でたぐり寄せるように乳首口に含んで吸い、そしてむしゃぶりついてきた。
 「あ、ああー、ああん」
 わたしが声を漏らすと、彼はオッパイから顔を放してわたしを見上げ、「ねえ、感じるの? 気持いいの?」と言う。
 胸も感じているし、身体全体でも感じている。でも、これを快感というのかどうかわたしは知らない。
 でも、とても気分がいいのは確か。触れられているという実感から来る喜びと、身体自身がふんわりトロンとしてムズムズと熱くて、どう説明していいのかわからない。

「言わないで、恥ずかしい」
「だって、声が感じてる」
「うん、なんか、気持いい」

 気持いいってはっきり口にしてしまったからだろうか、彼のブレーキが外れたみたい。
 彼の手がわたしの右足ふとももの内側に触れ、ゆっくり上がってくる。
 こんな所をこんな風に触られるなんて。
 初めての経験。未知の快感。
 私達、本当はこんな関係じゃないのに。このままだと最後までいっちゃうかも、だって拒否しようという気にならない、だけどもしそうなったら私達これからどんな顔をしてどう付き合ったらいいの。
 色々な思いが頭の中を駆け抜けたけれど、好奇心の方が勝っていた。わたしはされるがままになっていた。
 彼の指がわたしの中心に辿り着く。どこと話に時々彼は指に力を入れて押してきた。
 すごく感じるところとそうでないところがある。わたしはいやらしい声を出して、どこが感じるか合図していた。それはほとんど無意識の行為だった。
 彼はその合図をちゃんと理解した。
 指の動きが段々乱暴になる。「待って」と私は言った。「脱ぐから」

 まずあらわになったオッパイを隠そう。上半身をきちんと身繕いしなくちゃ。だって、ここは教室。いつ誰が入ってくるかわからない。
 それから、パンストと下着を脱ぐ。スカートははいたまま。これだととっさにごまかせるし、パンストを破かれる心配もないし、それに、彼の指が直に触れることが出来る。
 脱いだ衣類はきちんと鞄にしまう。そのへんに脱ぎ散らかしていたらやはり誰かに見られたときにまずい。
 それらのことをわたしはとっさに考えていた。
 人に見られるのが嫌だったらやめればいいのに、わたしは出来るだけごまかしの利く状況を作っておいて、そして行為を続けようとしていた。
 そんなにエッチなことをしたい?
 自分に問うてみる。
 したい。それが答えだった。
 もうずっとこうなることを本当は望んでいたのかも知れない。
 私達は横に椅子を並べて座り直し、わたしのスカートの中で彼の指がわたしをいじる。
 「濡れてるよ」
 「うん。感じてるの。気持いい」
 彼は珍しいものでも触るかのように、飽きずに何度も何度も指をこねた。

 正直言って、乳首や太股を愛撫されてるときの方が感じたけれど、それは彼がまだ初心者だからだろう。でもいいの。さわられているだけで暖かくていい感じ。わたしはそれでも時々一瞬意識が遠くへ飛んでいきそうな恍惚に襲われる。指がそういうとこに触れた一瞬だけ。それは長くは続かなかったし、もう声で合図など出来ないほどに感じる一瞬だった。
 その時だけ身体がピクピクとなっていた。

 彼の指が止まり、「見せて」と、言った。一瞬の早業。彼は顔をスカートの中に突っ込んだ。思わずわたしは足を閉じる。彼の顔が両足に挟まった。
 「ごめん」と言って、わたしが足の力を緩めると、彼の頭は一気にわたしの中心部まで。そして、舐められた。
 「ああああ!」
 わたしは叫んでいた。全身に電気が走り、細胞のひとつひとつがバラバラに宙に浮いて、血が逆流した。
 キスに始まった彼との長い接触でわたしはすっかり目覚めさせられていたのだ。

 舌が動く度にわたしの腰も動いた。息がどんどん荒くなる。
 どうしよう。どうしよう。このままでいいのかしら。
 いいわけない。わたしも彼にしてあげなくちゃ。

 わたしは身を引いて立ち上がり、それからもう一度座って彼のズボンの上に掌を添えた。
 ファスナーをおろし彼のものを引っぱり出す。突っ張ってなかなか出てこない。やがて、ドオンという感じて飛び出したそれは天に向かっていた。
 「ねえ、どうするの? 握ったらいいの?」
 「握って、上下にこすって」
 「こう?」
 「そう」
 男の子のズボンは不便だ。ファスナーから勃起したチンチンが飛び出していれば、もう誰かに見られたときに言い訳のしようがない。
 でもわたしはもういいやという気になっていた。
 全身を包み込むけだるさと気持ちよさ。時々突き抜けるように駆け抜けていく激しい快感と意識の飛翔。
 初めての時は痛いだけなんて言う人がいるけれど、それは愛撫が足らないから、彼が挿入を急ぐからだと思った。
 実際に入れたらこれだけ感じているわたしだって痛いかも知れない。でも我慢できると思った。
 だって、これだけ気持いい思いをさせてもらったんだもの。我慢できる。
 「ねえ、入れて、もう入れて、やりたいの、最後までやりたいの」

 悲鳴のような声だったと後で彼は言った。
 教室の床に寝転がるなんて思いも寄らなかったから、色々工夫した。
 机に上半身倒しておしりだけ突き出すとか、床に四つん這いになるとか。でも上手くいかなかった。
 わたしは足を投げ出して座り、それから両足を大きく開いて膝を立てた。その膝の舌に彼が足を入れてお尻をズリズリと前へずらしてきた。
 彼のちんちんがわたしの股間に迫ってくる。

 生々しかったけれど、先っぽがわたしに触れたとき、わたしは感動を覚えた。
 でも挿入できなかった。
 既に二人とも床に座り込んでいるから、それからくんずほぐれつ。何をどうしたかわからない。気が付いたら正常位の体制でわたしは彼に組み敷かれていた。二人とも息が荒かった。彼はわたしの中で射精したらしかった。
 痛くはなかったけれど、イクという感覚を覚えたのはそれから少し後。
 終わった後はただわたしは感動していた。





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